これも面白かったですね。私にとっては『スパイ大作戦』の次に面白いドラマでした。
まず、作りが独特で、それまでの刑事ものに飽き飽きしていた私は、最初これも今までの刑事ものと似たり寄ったりなんだろうと思ってたんですが、見てみたらつい引き込まれてしまいました。
それまでのドラマと違って最初から犯人がわかっていて(例外もありますが)、それをコロンボがわずかな手がかりから犯人のアリバイを崩して犯行を明らかにするという内容でしたが、コロンボがいかにして犯人を追いつめてゆくのかというところが見どころで、この形式がかえってサスペンスがあって面白かったですね。
一見風采の上がらない中年オヤジの主人公が、社会的地位が高い知能犯を飄々としたペースで追いつめてゆくストーリーにハマってしまいました。
このドラマのスタイルは後の『古畑任三郎』にも影響を与えているようです。
それと、もう1つの魅力は何といってもコロンボの人物像にあります。トレードマークになったあのヨレヨレのレインコートに安葉巻をくわえ、ボロ車でやってくる庶民的なキャラクターが親近感が持てました。
もちろん、演じていたピーター・フォークのはまり役でそれが魅力の元になってましたね。
あのコロンボ像は、ドストエフスキーの小説『罪と罰』に出てくるポルフィーリ・ペトローヴィチ予審判事がモデルになっているとある雑誌に書いてあったのを見たことがあり、それで『罪と罰』を読んでみたら(それまで読んだことはありませんでした)、確かにコロンボを彷彿とさせるような人物描写でしたね。
あと、日本語版の場合はコロンボの声を担当していた小池朝雄さんの声と喋り方が絶妙にマッチしていてコロンボのキャラの魅力を上げてましたね。演じていたピーター・フォークの声や喋り方だけではあれほどの魅力にはならなかったかもしれないです。
コロンボのシリーズはいったん終了したあと、10年ほどのブランクがあって、続編が放送されました(日本では『新刑事コロンボ』、原題の方は元のままで『Columbo』)が、私はブランク前の旧シリーズの方が面白かったですね。
それから、コロンボはよく「うちのカミさんがね」と言ってましたが、そのカミさんは1度も出てきたことはなかったんですが、そのコロンボ夫人を主人公にしたような 『ミセス・コロンボ』というドラマも作られましたね。コロンボのカミさんという設定だったようですが、コロンボのスタッフから反対され、制作側もコロンボ夫人と同一人物ではないと明言し、コロンボファンの支持も得られず、1年ほどで終わってしまったようですね。
やはりコロンボのカミさんは犯罪捜査などせず、顔を見せないまま、庶民の奥さんというイメージのままの方がいいですね。
それから、ヘンリー・マンシーニのテーマ曲もよかったです(^^)
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